【本の感想】平山夢明『ダイナー』

平山夢明『ダイナー』(ポプラ社、2012年)を読みました。

出来心で手を出したバイトは失敗の末、凄惨な拷問を受けた後、プロの殺し屋が集うダイナーで働くことになりました。頭のいかれた殺し屋たちの気まぐれで殺されそうになりながらも必死に生き残り、働き続けます。

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まるで映画を見ているような面白さ

映画では冒頭の派手なアクションシーンで引き込まれるものですが、本作では凄惨な拷問により、この常軌を逸した怒濤の世界観に引き込まれます。

その内容は凄惨であり、残虐です。例えば主人公の横ではかつらごと皮をはがされたり、爪をはがされたりしていますし、主人公は主人公で自分が埋まるための穴を殴られながら掘っている状況です。

この間わずか数十ページです。

プロの殺し屋たち

基本的に頭がどうかしています。舞台が舞台のためか、実在のモデルがいるためか、その頭の具合が具合だからか、現実離れをしていても違和感はありません。

つまり、どいつもこいつもどのシーンもインパクトがあり面白いということです。荒唐無稽なところがあっても気にならない世界観になっています。

料理で現実に引き戻される

ダイナーに似合わない高級食材で作られたおいしそうな料理は、頭でなく腹にうったえてきます。

ここにだけ妙な現実感があります。そのせいか様々な異常さが気になりません。さらに人物や組織の無国籍感がその感覚に拍車をかけます。

☆5

凄惨で残虐な暴力描写こそありますが、スピーディな展開や最後の派手なアクションからのまとめは某映画を思い出させます。読んでいて面白く、読後感も良いです。

出来の良いB級バイオレンスエンターテイメント映画を小説で楽しめるのが本書です。そういうのが好きなら大変面白いです。

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