【本の感想】デイヴィッド・ベニオフ(著)田口俊樹(訳)『99999(ナインズ)』

デイヴィッド・ベニオフ(著)田口俊樹(訳)『99999(ナインズ)』(新潮社、2006年)を読みました。

収録されている八つの短編は、どれも「そんな現実」を描いた苦さとあきらめの話ばかりです。

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現代の苦さとあきらめの話

どの話もなんとも苦く、あきらめのある話ばかりです。分かりやすい悪人はいません。

たとえば表題の『99999』です。バンドリーダーの男には家族がいて仲間がいて女がいて、誇れるものもありそれなりに幸せです。ボーカルの女も男といることで満足しています。

レコード会社の主人公は仕事をこなすことでそれらを壊します。女はのし上がるチャンスと大金を得ます。そして男は捨てられ物語は終わります。

☆3

どの話も現実は非情です。その非情さに徹底抗戦するわけでもなく、かといって完全に諦めることもなく、ただ受け入れて終わります。それが納得できるかというと、なんともいえない気持ちになります。

現実とはそんなものなのですが、そんなものを突きつけられても困ります。

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