【本の感想】林亮介『迷宮街クロニクル 3 夜明け前に闇深く』

林亮介『夜明け前に闇深く』(ソフトバンククリエイティブ、2009年)を読みました。

迷宮街クロニクルの三作目であり、『散る花の残すもの』の続編です。さらに深く潜るためのゴンドラ建設に揺れる探索者と迷宮街の中と外の違いなどを描いています。

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ゴンドラ建設

『Wizardry』なら濃い霧の先にエレベーターはありますが、本作ではありません。そこで探索者たちと商社の力で建設に動きます。

その一方で探索は続き、新人の登場、ベテランの死、ベテランの後を継ぐ人たちと、物語は進みます。今まではあっけなくもあり、薄くもある登場人物たちが急に濃くつながっていく感覚は読んでいて面白かったです。

真壁と宿題

主人公である真壁を中心に迷宮街の中と外の違いを書き、巻末の短編で真壁がどういう人物か垣間見ることができるなど、群像劇としながらも真壁にフォーカスされています。

これもまた今までと違う試みです。多くの人物から全体像をつかもうとするのもいいですが、人物を濃く描くことで探索者を描こうとする試みも面白いです。

☆3

今までよりも人物が濃くなり、つながり始めているところが面白いです。それがゴンドラ建設であったり、主人公を描く短編だったりです。新展開はテンションが上がります。

あとがきでは本書を3(上)としており、さあこれからどうなると感じさせる終わり方なのも良かったです。

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