【本の感想】武田邦彦『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』

武田邦彦『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(洋泉社、2007年)を読みました。

著者は、環境問題はお金(補助金)のため、自分が有利な立場を維持するために利用されているとして、ペットボトルやダイオキシン問題を例にウソがまかり通る状況を解説しています。

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良いだけでない環境問題

「良いことを言っているが、実は意味がないのでは?」と疑問に思っていたリサイクルの無意味さを指摘するなど鋭さは強烈です。

リサイクルやダイオキシンなど、当時話題となったネタを元に、実際のところを切り込んでいく視点は痛快ですし発見もあります。

論理展開は微妙

とはいえ、分別回収が進んだからペットボトルの大量生産大量消費が進んだなどと無理のある説明や詭弁もあるため、全てを鵜呑みにはできません。

環境にやさしいというウソをあばくという姿勢なら、もっと説得力のあるやり方ならばよかったのですが、著者は批判する相手と同じ土壌に立ってプロレスすることを選んだように思えます。これではただの扇情合戦です。

実に残念ですし、指摘が本当だとしてもウソ臭くなっています。

日本人は昔の心を失った!

だめ押しで良くないのが今の状態を日本人が伝統的文化、つまりは誠意をなくしていると説いているところです。

マスコミが喧伝し、国民はリテラシーが低く信じてしまう。環境問題では科学は通用しない状況なので、このような情に訴えるスタイルで書いたのかもしれません。

それでも科学で対抗してほしかったです。

☆4

インパクトはあり別の見方もでき、環境問題が利用されていることが分かるという点では素晴らしいです。しかし、やり方が行政やマスコミと同じです。非難している相手と同じスタイルで非難していることが非常に残念です。

環境問題は範囲が非常に広いため語るのが困難なためでしょうか。その困難さを放り投げてしまい、泥仕合にしてしまった感があります。

国民の今の環境リテラシーを思うに、問題提起にはこれくらいがちょうど良いということなのでしょうか。残念です。

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